出張報告書(別紙詳細版)
所属・職・氏名
|
教務課 係長 村山孝道
|
日時・場所
|
2012/12/22(土) キャンパスプラザ京都
|
テーマ
|
SDワークショップ2012_第4回「職場活性化」ワークショップ
|
目 的
|
SDワークショップ2012_第4回「職場活性化」ワークショップ
職場を活性化させるヒントの情報収集
|
プログラム
|
◆話題提供
関西生産性本部 経営革新部長・経営コンサルタント 安田 弘氏
◆グループディスカッション
参加者数約18名
|
全4回シリーズのワークショップ型研修の最終回として開催された標記プログラムに参加した。昨年度は、このプログラム立ち上げのための試行プログラムの手伝いをし、ワークショップ開催の手法を学んで、実際にファシリテーターとして一つプログラムを実施したので思い入れがある。日程の都合でこの最終回のみの参加となった。
出席者は18名。京都以外では大阪、奈良、愛知、茨城からの参加があった。コンソーシアム加盟校で無く、わざわざ東海や関東から、このような少人数のワークに自発的に参加されるのすばらしい。お伺いすると、近隣でそのような機会が少なく、研修に飢えておられるとのこと。改めて大学集積地である京都、そして研修を定期的且つ継続的に実施してくれるコンソーシアム京都が存在することのありがたさを感じた。「お膝元」に存る利点をもう少し職員の間で共有し、もっと活用すべきではないだろうか。「加盟費以上にコンソを使い切る。」である。
研修内容は、経営コンサルタントの方からレクチャーを受けた後、3つのグループに分かれてグループワークを行う、というものであった。以下は印象に残った要点。
<事例報告>
- 組織成立の3つの要素(バーナード)
- 共通目的 (経営理念+経営目標) => 建学の精神+短中長期計画
- 貢献意欲 (誘因>=貢献)
- コミュニケーション
- 認める仕組み
- 得意技を活かす
- チャレンジをさせる
- 権限を委譲する(範囲を明確にする)
- 人材育成基本方針の重要性
- リーダーとは「何を」も言うが、何より「なぜ」も言わなくてはならない。
- スタート時の納得度が大切。
- 能力と目標の合致、納得度。目標が高すぎると不安になる。低すぎると不満が生まれる。
- 少し高めに設定し、指導、支援、援助をして成功体験を積み重ねることが重要
- 自分の守備範囲を少しずつずらす。そうして全体を見る、相手を見る、仲間を見る。組織活性化にとても大切な視点。
<グループワーク>
6名(宝塚、常磐、京都経済短期、立命館、コンソーシアム京都、京都文教)で実施。議論のテーマが若干抽象的であったことから、個々人のニーズを、①組織マネジメント論②モチベーション・コミュニケーション論③業務改善論、の三つに分けた上で、①の組織マネジメント論に引きつけた「機能する職員組織」をテーマに決定した。なお、このテーマは現在桜美林大学大学院の通信課程に通われているグループメンバーの修論テーマでもある。
ワークの手法は過日の学生FDのWAで学んだ「ゲーミフィケーション」における「アンチプロブレムワーク」を実践。機能「しない」職員組織を作り出すためのアイデアをブレインストーミングで拡散し、KJ法で収束させた上で、テーマを反転、「機能する職員組織」作りの議論をおこなった。
以下はそれぞれのプロセスでの気づきなど。
- ブレスト(機能しない組織作りのアイデア)
- 組織系
- GPに申請しない
- プロジェクト的に部署を横断しない
- 厳格な評価制度で疲労させる
- 何もしてくれない上司を配置する
- 管理しない
- 他部署の仕事に感心をもたさない
- モチベーション系
- 目標を隠し共有しない
- 古き良き「儀礼」をどんどん廃止する
- 誰にも感謝をしないようにする
- 人のせいにするようにする
- 揚げ足をとる
- 自分だけが頑張っている、と思うようにする
- 失敗してはいけない雰囲気(風土)にする
- そもそも安定志向の人間を募集する
- 仕事スタイル
- 他人の業務に関与しない、させない
- 個人のデスクトップ上にデータをためる
- マニュアルを作らない
- 仕事の結果を問わない(やりっぱなし)
- 業務以外は何もしない
- 仕事の範囲を明確にしない
- コミュニケーション系
- 要件はメールのみにする
- 顔をあわせない(話をしない)
- 公私をきっぱり分ける
- 学生とは極力話さない
- 笑わない
- 報・連・相禁止
- 部下の話は聞かないようにする
- 情報を集めず拡散させる
- 会議は発言時間はつくらずシャンシャンと終わらせる
- 朝礼をしない
- 車通勤を義務づける(脱飲みニケーション)
- 実現可能性/効果の指標で分類・分析を行った
- 組織系、仕事スタイル は実現可能性が高く、効果も高いことがわかった。一方、コミュニケーション、モチベーション系は当初実現可能性が高く分類される傾向があるが、再検討するとほとんどが効果は高いが実現可能性が低い、または効果自体が低い、という分類に変更になる傾向があった。
- 発表
- 組織系
- 効果も高く、実現も比較的可能。あとは「やるかやらないか」。主に管理職に期待される役割が大きいと言える。また、個人のキャラに頼らず、制度インフラの整備が必要。
- 「チャンスの平等と結果の不平等」を生むインフラ、「カレッジドリーム」
- 仕事スタイル系
- 上司の指導と風土変革が大切。チーム業務の研修(チームビルディング研修)などは効果的か。脱職人芸。トライアンドエラーができる「風土」作りも効果的。
- モチベーション
- ある人はあるし無い人はない。「べき」論では動かない。
- 「知らず知らずに」、「気がついたら」、という人間の感情に訴える必要有り。つまり「説明」でも「指導」でもなく「魅了」が必要。
- 「心を鷲づかみ」するような「目標」などは効果的。
- コミュニケーション
- やろうと思えばいつでも誰でもできる。でも実際は以外と難しいのがこれ。
- なのでこれは「脱個人任せ」、要制度化がカギ。
- 例えばいろいろな制度のアイデア
- 一日一笑い
- No My Car Dayからの飲みにケーション誘導
- 月一誕生パーティー などなど
組織が機能しない、情報が流れてこない、組織の目標がない、人材育成がなされていない、上司が悪い、部下が悪い。どこの大学も似たようなことを言っている。大学だけにかぎらず、「組織」というのはそもそもそういうものであろう。最小単位の「組織」である家族ですら、互いの考えていること、互いの抱えている課題の質や量、置かれている状況など、本当に把握して支え合っているかと言えばいたって怪しい。
しかし、「機能する組織」というのは確かにこの世に存在している。組織の目標があり、個人の目標があり、その重なりが多く、メンバーの肯定感や承認感が高く、権限と守備範囲が明確で、チームとして支え合い、補いあい、強みを伸ばして弱みを消し、日々小さな変革とチャレンジが行われている。
そのような組織を小さな歩みからでも、「できることを、できる範囲で、できるところから」自分の目線の高さに合わせてコツコツと行っていくことが大切である、と改めて感じた。
以 上