2012年10月24日水曜日

チームビルディング_「こいつらすげえ」


 2日間をかけたラーニングバリュー社のチームビルディング。学生達は、土日にもかかわらず、何の単位にもならないのに、そしてスクールバスも動かないのに、呼びかけに呼応して30数名も参加してくれた。素敵な学生たち。自分が学生だったらきっと参加しない。「自己の成長」に貪欲。「未知の自分」に好奇心旺盛。尊敬の気持ちでいっぱいだ。
 ところどころである発表の時間。ジャンケンをする班がひとつもない。誰からともなく前にでて、発表をする。
表現しにくい心の動き。それを見事にプレゼンする。話し上手でない子もいるが、それでも素直な気持ちをしっかり言語化している。版で押したような、同じような発表、こぢんまりと上手に型にはめ込んだような発表がひとつもない。
   
 「こいつらすげぇ」

と思った。
プログラム終了後、好奇心で「うちの学生、どうでした?」とファシリテーターの方にお伺いすると、
「間違いなく上位10%、S級ですよ。」との評価を頂いた。プロジェクトのメンバーとハイタッチをする。わがことのように(というかわが事ですね)嬉しい。 
 今回も自己の探求1同様、職員としてではなく一参加者、一プロジェクトメンバーとして参加し、学生たちに溶け込む。本当によくできたプログラム。ファシリテーターも超一流。完全に安心し、身を委ね切り、自分と自分のチームにだけに気を向け続けた二日間。普段は隠してしまいがちな弱点だらけの自分を晒すことができた。これで次のステップにいける。
 得たこと学んだこと、多々あるが、一番大きいのは「人はいくつになっても成長できる」ということを再確認できたこと。おそらく、大学職員以外の仕事を選んでいたらこのような気づきはなかったのではないか、と思えてならない。大学職員でなければわざわざ、自分自身に高い負荷をかけて「学び」を欲しただろうか?週末はソファーに寝転んでビールを飲んで映画を見て過ごしていたのではないか?
自分一人で学べる人も大勢いる。しかし、私自身はとても弱く、非力で、妥協的な人間だ。一人でいると楽なことしかしない。そのように生きてきた。だからこそ、私と同じように、ややもすると怠惰に過ごしてしまうかもしれない、学生たちの気持ちがよく分かる。逆に、貪欲に、自らへの投資と労力を惜しまない学生のことは憧れの眼でみるが、以前は「自分とは違う存在」「自分とは関係の無い存在」として見ていた。しかし彼らから「成長の快感」を学んだことで、自分自身が過ごした「もったいない」学生時代を、過ごさなくてすむように、この気づきを、「自分と同じように弱い学生達」に伝えたい、と思うようになった。また、そのことが、この京都文教大学(組織)への恩返しであり、そして、私だからこそできる貢献である、と思うに至った。自分自身は旅も生活も基本的に個人行動で生きてきた。その方が楽だし、それなりに楽しく過ごせた。しかし、今、グループ(組織)の中に居ることの素敵さを感じている。一人ではできない弱い自分。しかし、仲間がいればできる。勇気が生まれる。自分自身のためにはできなくても、誰か他者のためにならばできる。仲間を通じて、他者への貢献を通じて、自分自身の成長を得ることができる。「自利即利他」。それが今回目指した、「自分も、組織もハッピーになる」道だと思った。

第10回SDフォーラム 「若手職員の成長・育成」


第10回SDフォーラム 「若手職員の成長・育成」 に参加した。前からお話を聞きたかった名古屋大学の夏目先生のお話、いやあ、良かった。勉強になりました。

●主催:大学コンソーシアム京都 ●日程:2012年10月21日(日) ●場所:キャンパスプラザ京都
<概要>
(1)基調講演 夏目達也氏(名古屋大学)  「若手職員の成長につながる学びとは」
 『事務職員(非創造、受動的)と『大学職員(創造、能動的)の2累計の分析、要因、そして若手の要求事項など、詳細な分析が報告された。若手の育成に最も効果があるのは「教育」ではなく、若手自身の「学習」であり、それを支援する組織としての力が必要である、という結論である。「組織に寄りかかるだけならただ職場の価値を引き受けて内面化すればよい。しかしそういう組織は一見平和だが本当にそれでいいのだろうか。常に新しい課題に対して取り組む組織を作るのならば「職場公認の価値を超える」こと(風土づくり)が必要となる。慎重さが必要であり、そして時間がかかる。」という言及は印象的であった。

(2)分科会F講師:重光直之氏(株 ジェイフィール) 「若手・中研職員と管理職がともに育つ組織を目指して」
 実際の業務の中でミドルが若手にプロジェクト型職務を委託し、「教育」や「指導」するのではなく、観察、支援、激励などを通して、若手自らの「気づき」を促し主体的学習者に育成する。またそのことを通して実はミドル自身をを育成するというのが「戦略的OJT」である。一粒で二度美味しい研修システムであるが、若手が成功体験を得、ミドルが一皮向けるためには、ミドルを支援するメンターが不可欠であることがわかった。

 2つの講演を経て、「事務職員・大学職員2累計論」は、「生徒・学生2類型論」に酷似しており、双方の育成における方法論は共通点が非常に多いことを発見した。その上で、職員をミドル、学生を若手と見立て、双方が成長するSDとFDを兼ね備えた研修システムが作れないか、というアイデアを得ることができた。名付けるならば「FSD型戦略的OJTシステム」であろうか。

 「FSD型戦略的OJTシステム」、なんだか考えるのが楽しそう。時間がとれたらじっくり考えてみたいテーマです。もっと超詳細な報告は下記のリンクまで。
 

第10回SDフォーラム(大学コンソーシアム京都のページ)


出張報告(詳細版) (12800字ほどありますので要注意!)